昼のメニュー

ゆたかのある朝

きっかけは忘年会のメニューでした。
何か変わったメニューをお客様に提供させていただきたいとの思いで、鶏を使った鍋を提供しようということになりました。
それも昔、弊社会長が庭先で正月用につぶして食べるようなコクのある鶏を・・・。
北海道中探しましたがブロイラーがほとんどで食肉用に育てている生産者が見つかりませんでした。
そんな中、知人を介して秋田県に比内地鶏という日本古来の鶏がいるらしいとの情報を聞きつける。
早速生産組合に電話、サンプルを送ってほしい旨連絡するがあっさりと断られる。

1.サンプルを送ってやりとりするような商品でないこと。
2.実際に現地に来て生産方法及び肥育方法を見てほしいとのこと。
上記の理由で送ることは出来ないとのことだった。

しかしその4日後に我々は千歳空港を出て秋田に向かう飛行機の中にいた。
生産組合からあんな言い方をされ、どこかに意地もあったのかもしれないが半面、そこまでいうからにはよっぽど素晴らしい食材に違いないという期待感もあった。

秋田空港に降り立つとともに生産組合系列の飲食店へ行き、比内地鶏の焼き鳥に食らいつく。
まず驚いたのがその価格。一串300円以上もする。
もう一つびっくり。今まで食べたことのない食感が広がった。
よくテレビの料理番組でリポーターが自分が口にした料理を言葉でうまく説明出来ずにもどかしく感じることがあるが、まさにあの状態だった。
鶏肉としては体験したことのない肉汁の量だった。
いや、以前欧州をひとり旅したときに出会った鶏の味にどことなく似ているような気がした。
肉質は正直言って「固い」。
それはブロイラー慣れしている私たちには当然のことかもしれない。
また、肉自体に鶏くささを感じる。
何と表現したらよいのか分からないが鶏の香りを強くしたような感じといったらいいだろうか。
皮が厚くそれでいて脂がしつこくない。なにせ味が濃いのだ。

場所を移し今度は肥育場所を見学に行った。

放し飼い比内地鶏

するとどうだろう。
鶏がすべて放し飼いをされているではないか。
鶏の飼い方には大きく3通り有ります。
一つは平飼いといって大きめの鶏舎にまとまった数の鶏を入れ、 そこで自由に動き回れるようにして飼育する方法のことを指す。
もう一つケージ飼いというのがあり主に鶏卵用だがオリに中に入れ生産を調整する方法。
一方、 放し飼いとは、 屋内ではなく、 広い敷地に鶏を放し、 自由に動き回れるようにして飼う方法。
昔ながらの養鶏方法で、 夜間や雨天時には敷地内に設置された鶏舎に入れられることがおおいようです。?
平飼いは 広い敷地面積がいる上、 人件費も嵩むため、 コストが高くなるのです。
案の定見学に行った場所は周囲2〜3kmをネットで出来たフェンスを地中深くまで掘り下げて囲いキツネの侵入を防ぎ、また上空はテングスの様な糸を張り巡らせトンビや鷹に襲われないようにする念の入りようだった。
その中で小川の水を飲み餌はクローバーやミミズなどをついばんでおりました。
これは旨いはずだと確信した。
運動量が豊富だから旨みとなるゼラチン質に冨み、余分な脂肪だって付かないだろう。

人間もこうあるべきなのかとふと心に思った。(笑)

旨いも分かり、生育状況も分かった。
あとは値段だった。
いくらで卸していただけるのか?送料はどれくらいかかるのか?

先方から提示があった。
「・・・・・高い。」
正直、今仕入れている十勝牛の値段より高いのには驚いた。
しかしこれだけの条件で育てているならある意味良心的な価格かも知れないと思った。
値段のことよりどうやって池田町に持ち帰りメニュー化するかどちらかというとそれでいっぱいだったという方がその時は正しかったかもしれない。




当時の大沢比内町長と弊社会長

結局グランドメニューに「比内地鶏 半熟親子丼」としてデビューすることとなった。
おかげさまでラジオや各雑誌でも取り上げていただくこととなり、その濃厚な味に親子丼の信者様も増えていただいたようです。
なにせ通常の親子丼の割り下はかつおだしで割るところを、当店のは思いっきり比内地鶏のがらスープで割り下を作りました。
そして半熟の状態で提供させていただくので箸よりもスプーンがいいということになりトロトロの状態で日本古来の鶏肉を味わえるメニューが誕生しました。